株式会社シロは2025年8月27日(水)に愛別町と「愛別町森林(もり)づくりと活用に関する協定」を締結

株式会社シロは北海道上川郡にある愛別町と「愛別町森林(もり)づくりと活用に関する協定」を8月27日(水)に締結し、今後は愛別町と協働して森林づくり活動に取り組みます。

シロは北海道砂川市にある“みんなの工場”の建設で道産のカラマツやシラカバといった木材を建物に使ったことをきっかけに、北海道で環境に配慮しながら森を育てる林業従事者の方々に出会いました。さらに、北海道長沼町にあるSHIROの暮らしを体感できる一棟貸しの宿泊施設“MAISON SHIRO(メゾンシロ)”においても道産の木を使って建設しました。間伐材を使用して建てられたこの宿泊施設は細い木を活かす工法で建てられ、全体の約60%は愛別町の木を使用しています。
また現在、オープン準備を進めている“みんなの工場”内のレストランに使用しているカラマツやイタヤカエデなど多くの木も愛別町からいただいています。

SHIROには季節ごとに収穫される旬の素材を製品として届けたいという想いから誕生した「旬シリーズ」があります。今回、愛別町と協定を締結することになったきっかけは、昨年の旬シリーズ「ヨモギ 2024」でした。この製品は愛別町の森に植樹されたトドマツやエゾマツの下刈り*1の際に他の草花と一緒に捨てられてしまうはずだった自生のヨモギを使用しました。

この経験から今年の8月上旬には自生しているヨモギから誕生したスキンケア4製品を発売。予想を上回る販売数となりました。他にも自生するヨモギを使った製品に「ハーブケア」シリーズがあります。

愛別町では福山農林合同会社の福山寛人さんが農林業に携わる傍ら、森と人の未来に向けたさまざまな取り組みをし、みずみずしく香り高いフレッシュなヨモギをどのように収穫するか試行錯誤を重ねてくださいました。その収穫方法は森を健やかに育てるため下層部の雑草や雑木を除去する下刈りをした中からヨモギを選別する方法でした。このように福山さんは、森のため常に多角的な可能性を探られています。こうした経緯から、今回愛別町とともに『森林づくり活動』をさせていただく運びとなりました。

この協定を締結することにより、シロは愛別町に協定期間である5年間に渡って企業版ふるさと納税を寄附、あわせてヨモギを使った製品をふるさと納税返礼品として愛別町へ提供いたします。寄附によって得た税収を愛別町は森林づくりに役立て、愛別町の森林づくりに互いに貢献してまいります。

この取り組みは「愛別町森林(もり)づくりと活用に関する協定」に基づき、愛別町と協定を締結し町有地で活動を行います。

(1) 森林整備事業 :
環境保全を重視し、天然更新を活かした整備手法を推進。野生生物の生息環境を保全する「生物多様性配慮型整備」を導入し、在来種を最終林系とする森林づくりを目指すことで、森林整備を単なる資源利用にとどめず、環境価値を促進するプログラムを展開し、実践を通じて知識と技術を普及させる。このような森林整備により、森林空間はキャンプ・研修などの場としても活用可能となり、従来型の林業にはなかった新しい利用価値を生み出す。
(2) 森林利活用事業 :
ヨモギの加工や樹木の落葉の蒸留などに、木材にとどまらない幅広い利活用を進めるとともに、森林空間を観光・ウェルネス・地域交流の資源として活かし、愛別町を森林サービス産業の発信地とし、観光・産業・地域振興へつなげる。
(3) 教育および情報発信事業:
上記のようにより幅広く総合的な次世代型の森林との付き合い方の紹介や森林に親しみを持ってもらうため、森林を教材とした学校教育や体験型ワークショップを実施し、木工・蒸留・自然観察などを通じて森への理解を深める。さらに活動の成果を動画やSNS等で発信し、町内外に次世代型の森林との付き合い方を広める。

この協定を通じて、シロは愛別町の森の環境を整えつつ、地域経済の活性化と持続可能な社会の実現を目指します。
そして、自然環境のひとつである森を未来の子どもたちへ残せるよう尽力いたします。

*1 植栽した苗木が健やかに育つよう、下層部に生える雑草や雑木を除去するための作業のこと

福山 寛人  Hiroto Fukuyama

札幌市出身。北海道で林業、農業、狩猟にまたがる暮らしを営む。2017年に森林と市民を繋ぐ特定非営利活動法人「もりいく団」を設立し、森林環境の保全・再生に重きをおいた森林づくりに乗り出す。2021年には自身の農林業を事業化する「福山農林合同会社」を立ち上げた。以来、「本来あるべき森の姿」を守るために森林と向き合い、「壊す」ことではなく、「治す」ことを考えながら、森林環境の保全と再生に重点を置き、未来の森づくりに取り組む。