若年性アルツハイマー型認知症 松本健太郎さんを採用

株式会社シロは若年性アルツハイマー型認知症であり「ほっかいどう希望大使」を務める松本健太郎さんを採用いたしました。11月1日より北海道砂川市「みんなの工場 by SHIRO」にて勤務を開始しています。
株式会社シロでは、社員のライフスタイルに合わせた働き方を推奨しており、さまざまなバックグラウンドを持つ仲間が活躍しています。2022年には、パラリンピック水泳日本代表の西田 杏(にしだ あん)選手をアスリート社員として採用しました。松本さんの入社をきっかけに、病気等を理由にキャリアを諦めることのない社会の実現を目指し、引き続き会社として積極的に取り組んでまいります。
採用に至った経緯
松本さんは若年性アルツハイマー型認知症と診断されてからも、北海道赤平市の企業で勤務を続けていました。2025年に勤続年数約30年といったタイミングで、毎日生活する上で起こる家族への負担を軽減するため通院先である北海道砂川市へ移住を検討。そこで出会ったのが、弊社のブランドプロデューサーである今井でした。今井は松本さんと出会った当時を振り返り、「松本さんが常に笑顔で、前向きに活動している姿を見て、一緒に働きたいと思った」と話しています。
代表取締役の福永は正式採用に至った経緯として、「若年性アルツハイマー型認知症で働くことは難しいという社会の概念を変えたかった。認知症と診断を受けても働き続けることができることを、民間企業・社会に伝えていきたい。また、松本さんをシロの仲間に迎え入れることで、 “普段当たり前だと思っていることは当たり前ではない”ということ、“相手のことを考えてコミュニケーションを取ることの大切さ”など、多くの学びを会社にもたらしてくれると確信し、採用を決めた」と話しています。松本さんは、企業に対し「認知症だと気づかないまま、病気が進行する前に早いうちに病院に行かせてあげて欲しい。そして、認知症と診断された後も雇用を拒否せず、できることを見つけてあげて欲しい」と発信しています。今後、株式会社シロは松本さんの活動を通じて発信を行い、賛同する企業が増えるよう取り組んでまいります。
松本さんが勤務する「みんなの工場」は国内外問わず、毎日多くの人が集う場所です。また、子どもたちが夢を描ける場所を目指し、製造工程の見学や「おしごと体験」を通じて、働く楽しさやものづくりの魅力を体験できる場所でもあります。松本さんの「ほっかいどう希望大使(認知症本人大使)」としての活動を通じて、未来を担う子どもたちも含め、若年性アルツハイマー型認知症への理解促進とその取り組みが社会全体へ波及していくことを願っています。
若年性アルツハイマー型認知症とは
「若年性認知症」とは、65歳未満で発症する認知症です。若年性認知症の原因疾患は大きく分けて2つあり、「脳血管性認知症」と「アルツハイマー型認知症」です。松本さんが診断されたのは「アルツハイマー型認知症」で、要因について全ては解明されていませんが、脳に余分なたんぱく質が溜まることにより、神経細胞が破壊され、脳が委縮することが原因とされています。主な症状に、記憶障害や判断力の低下、実行機能障害などが挙げられ、2020年の調査によると国内における患者数は約3万5,700人となっています。症状に記憶障害がある若年性アルツハイマー型認知症患者が企業で就職することや、再就職することは、昨今の日本において困難であり、認知症と診断された67%が仕事を失っているといわれています。就労支援や、障害者雇用を積極的に行っている企業は徐々に拡大していますが、まだ十分ではないのが現状です。
ほっかいどう希望大使(認知症本人大使)とは
2024年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」において、認知症に関する正しい知識・認知症の人に関する正しい理解を深めることができるよう、国民の理解の増進等に関する施策を講ずることが定められています。これを踏まえて、北海道では「ほっかいどう希望大使(認知症本人大使)」を任命することを発表しました。「ほっかいどう希望大使(認知症本人大使)」の活動を通じて、認知症当事者の方々やご家族に希望をもたらし、広く認知症に対する正しい知識や理解を深める役割を担っています。
(主な活動内容)
北海道の認知症施策への意見提案など
認知症に関する講演会に登壇
過去の講演会 (一部抜粋)
・「ほっかいどう希望大使 松本健太郎さんと共に若年性認知症のご本人・家族支援のこれまでとこれから」・・・北海道新ひだか町にて開催。
・「認知症ってミステリー?僕のこれまでのヒストリー、これからのセカンドストーリーを語る認知ショー」・・・北海道各地にて講演会実施(主な開催地|札幌市 / 釧路市 / 芽室町 / 赤平市ら)
松本さんのコメント
家族の負担を減らすため、全ての拠点を砂川市へ移そうと話していた時、シロと出会いました。家族とも話し合った結果、通勤のしやすさだけでなく、これまで休日に行っていた講演活動を仕事にして良いと言っていただいたことを決め手に、転職することを決意しました。認知症と診断されると転職することは困難と言われている中、採用していただき感謝でいっぱいだと、家族ともよく話しています。勤務地である「みんなの工場」には畑があり、かねてより畑仕事に興味があったので、楽しく働くことができています。新しい仕事に対する不安よりも、「認知症でも簡単な作業など、“できること”に特化すれば働き続けることができると社会に伝えたい」という想いの方が強いので、「転職して仕事を覚えて戦力になっている」と伝えるために精一杯頑張りたいと思います。今後の活動を通じて、認知症に対する企業理解が深まることを期待しています。
プロフィール
松本 健太郎 (まつもと けんたろう)
生年月日:1973年12月25日
出身地:静岡県
燃料・設備販売の会社で営業として働いていた48歳の時に、若年性アルツハイマー型認知症と診断を受ける。2024年8月23日北海道札幌市にて開催された任命式にて「ほっかいどう希望大使(認知症本人大使)」に就任。