製品ができるまで vol.12
『がごめ昆布美容液 2024』

北海道函館市

素材との出会いから始まるSHIROのものづくり。
日本各地の生産者さんとともに、自然が育んだ素材の恵みを最大限に生かす製品開発に取り組んでいます。
Vol.12では、限定スキンケアの旬シリーズ『がごめ昆布美容液 2024』が誕生するまでのストーリーをお届け。
製品に込めた想いとあわせてご紹介します。

「がごめ昆布シリーズ」は、SHIROが日本の素材を使って最初に開発した製品であり、SHIROのものづくりの原点ともいえるスキンケアシリーズです。
主に食用として親しまれているがごめ昆布ですが、石に付着した根の部分は固すぎて食べられないため廃棄されていること。そして、その根の部分にこそ栄養素が多く含まれていることを、函館の漁師さんから教わったことがきっかけで、2010年に製品開発がスタートしました。

がごめ昆布は、北海道函館市近海の限られた海域の、水深が深い海でのみ生育する希少性の高い昆布で、他の種に比べて圧倒的に強い“とろみ”が特長。このとろみによる保水力に着目して試行錯誤を重ねた結果、化粧水や石けん、美容液など、のちにSHIROを代表するスキンケア製品となる「がごめ昆布シリーズ」が誕生したのです。

日本国内の素材を使い、皆様に自信をもってお届けできる製品が生まれたのは、とても喜ばしいことでした。しかし一方で、大きな課題も残りました。当初は、食用には適さず捨てられてしまう、根の部分を活用することを目指して開発を進めていたのですが、その道程で、根の部分には不純物が多く付着するため、化粧水や美容液づくりをするのは難しいことがわかったのです。

そのため、現在SHIROの製品には、がごめ昆布の食べられる部分が使われています。また、素材を納品していただく際、漁師さんたちは肌に刺激を与えてしまう塩分や、不純物を取り除くため、昆布を丁寧に水洗いして乾燥させたものを届けてくださっています。

水揚げされたがごめ昆布の写真

食用の昆布であれば不要な、水洗いの作業。漁師さんたちにこうした負担をおかけしてしまうのは、本来私たちが望むかたちではありません。食べるには向かない部分を活用して、ものづくりができないだろうか。昆布を乾燥させるにも手間がかかるので、生の昆布を使うことはできないだろうか。素材と向き合いながら、新たな可能性を模索する日々が続きました。
そんな中、私たちはとある光景を目にします。旬の時期を迎え、水揚げされたがごめ昆布の中から、漁師さんたちが小さな昆布の間引き作業をしていたのです。

昆布のとろみ成分の写真

これらの昆布は、サイズが規格外のため出荷することができず、本来であれば捨てられてしまうもの。この小さな昆布を使えば、私たちが目指しているものづくりができるかもしれない――そう考えた私たちは、間引きされた昆布を分けていただき、今回の旬シリーズの開発をスタートしました。
漁師さんたちに負担をかける、水洗いや乾燥という工程は挟みたくない。本来であれば捨てられるはずの、生の小さな昆布を使って製品を生み出したい。この想いを現実にすべく、何度も何度も試作を繰り返しました。そうして辿り着いたのが、“生の昆布を湯通ししてから、水に浸す”という方法です。お湯にくぐらせることで、昆布の表面に付着した塩分や不純物を落とすことができ、さらに、じっくり水に浸すことで、乾燥昆布を使ったときよりも豊富なとろみ成分を抽出できることがわかったのです。
こうして生まれた濃厚なエキスを使って、『がごめ昆布美容液 2024』が誕生しました。

水揚げされたがごめ昆布の写真

MAKING PROCESS

定番品よりも香り豊かで、糸を引くほどの強いとろみは、旬シリーズならでは。肌にのせた瞬間にすばやくなじみ、ぐんぐんと中に入っていくパワフルで感動的な使い心地を、多くのお客様にご体感いただけたら嬉しいです。

捨てられるはずだった部分を使って、ものづくりをする。今回の『がごめ昆布美容液 2024』を通じて、当初の目標に近づくことができました。しかし、これはまだ長い道のりの一歩に過ぎません。

漁師さんたちのお話によると、今年は雨が十分に降らなかったため、海水の温度が高く、がごめ昆布の水揚げ量も少なかったそうです。素材たちが育つ環境を守るために、気候変動をはじめとする社会問題にしっかりと向き合いながら、肌にも地球にもやさしい製品をつくっていきたい。その一歩一歩が、より良い未来に繋がると信じて、私たちはこれからもたゆまぬ努力を重ねていきます。