SHIRO HUMAN | シロのものづくりの中心には人がいる

SHIRO HUMAN ⽥﨑 菜⽉ Natsuki Tasaki
企画グループ マネジャー 兼 開発グループ
2018年⼊社

いちばん使っているアイテムは「がごめ昆布美容液」。どんな⽇も⽋かせないお守りのような存在で、オイルと混ぜて使うのがお気に⼊りの使い⽅。今はがごめ昆布の漁の時に捨てられてしまっている⼩さな昆布や、固くて⾷べることができない栄養たっぶりの根こんぶを使い、新たな魅⼒を引き出すべく⽇々研究中。

無理だと思い込んでいたことが
できる場所

シロに⼊る前は⼤⼿の化粧品メーカーで働いていました。最初は販売からスタートして、教育、企画とキャリアアップしながら。化粧品メーカーに⼊ったのは、元々学⽣の頃から実験が⼤好きで、ものづくりや企画をやりたいという思いがあったからです。ところが実際に⼊ってみると、PRやマーケティングが先⾏する華やかな世界に、⾃分のやりたかったこととのギャップをものすごく感じました。それがすごく嫌で。なんかもうつまらないから、化粧品業界を辞めちゃおうかなと思っていたころに、たまたまシロと出会ったんです。職業柄、成分表⽰が気になるので製品の裏⾯を⾒たときに、すごいびっくりしたんですよ。「酒かす」ってそのまま書いてある。こんなの絶対にできるはずないって思いながら、テスターで試してみたら、⾹りも酒かす。でも、まだ信じられなくて、絶対に⾹料は使っているにちがいないって。今までの経験から、何なら⾊だって着⾊してるでしょ!って(笑)。それで、気になってシロという会社を調べてみたら、本当にものづくりに真摯に向き合っていてびっくりしました。それまで「そんなことできないよ、無理だよ」って⾔われてきたことをしている会社だったんです。それでシロに⼊社したいと思いました。でも、まだそのときも本当に本当?って疑っていました(笑)。それで裏舞台を⾒てみようと。それでやっぱり嘘だったら、そのときこそ化粧品業界をやめようって。

つくる意味がある
仕事は楽しい

企画で⼊社したのですが、まず最初に、疑ってごめんなさい!って(笑)。想像していた何百倍も、ものづくりに真剣。メーカーの都合も会社の都合も、つくり⼿の都合さえもなくて、お客様と社会のためにという想いが中⼼のものづくり。シンプルに、楽しいなって思いましたね。つくる意味があるものしかつくらない。⼊社してすぐに⼯場で⾒た、あの「酒かす化粧⽔」は今でも印象に残っています。⾷べられる酒かすを⽔に溶かし、そこに発酵や腐敗が進まないようにほんのちょっとの防腐剤を⼊れてメッシュに包み、全員で⼿搾り作業をしてたんです。

⼿搾りなんだ……!って驚きました。絶対に機械でやっていると思っていたので。なんで⼿搾りなのかも聞いたんです。そしたら、何度も機械化をしようと試みたけれど、思うような仕上がりにはならなかったからと。⼤変だけれどベストな⽅法を採⽤している姿勢に感動しました。
2023年4⽉には北海道砂川市に「みんなの⼯場」がオープン。ここでは、⾃分たちの技術を秘密にすることなく、すべてをオープンにしています。お客様はもちろんですが、同業者にもできるんだよ!みんなもつくったらいいよ!と伝えたい。世界中に余っていてもったいない素材を、すごく素敵なものに変⾝させるのがわたしたち全員の仕事。試⾏錯誤することで地球の未来もよくなると考えると、つくる意味があるって思うんです。仕事としては、すごい、うん、やりがいがあるなと思います。

きっかけは
つくりたいという想いから

たとえばシロの真髄でもある素材シリーズに関しては浩恵さん(会⻑) が、⽣産者と出会ったり森のなかで⾒つけてきたりすることが多いです。ただ、“もの”というより、“⼈”というのが正解かもしれません。誰とやるのか、その⼈がどういう想いを持っているか。そして、その素材を使って製品ができたら、世の中のためにもなるよね!と思ったら、製品開発がスタートします。フレグランスなどは、⾃分たちが毎⽇使いたいものだったり、ワクワクするものだったり、そういう視点から始まることが多いです。⼀般的なマーケティングなどはなくて、ただそこに本当につくりたいという想いがあるだけ。企画のチームは現在6⼈いるのですが、各々やりたいことをプレゼンしながら進めます。プロモーションのゴールを決めてからスタートする会議はありません。製品数も多く、ジャンルもたくさんですが、部⾨の担当はざっくりしか決めていなくて、やりたい⼈がやるのがわたしたちのスタイル。⼤きな壁を乗り越えるには、圧倒的に“好き”が強い。ヒントは⽇常にあるのですが、わたしの場合は、毎⽇使いたいものって何だろうとか、⾃分の⼼が動く瞬間みたいなものを、とにかくメモするようにしています。
実はこれは浩恵さん(会⻑)の真似。⼀緒に移動をさせていただくことがあったのですが、⽣産者に会いにいった帰りなどに、すぐにメモをするんです。インプットするだけではなく、必ずそこから何かを⽣み出すための作業として、ずっと繰り返してきたんじゃないかと思うんですよね。シロがここまで⼤きくなれたのも、何か⼤それた企画を考えようとかじゃなく、本当に⽇々の積み重ねなんだと思いました。

そしてもうひとつは、幼少期からの習慣です。仕事で忙しくてなかなか会えなかった⽗は、会うたびに「今⼀番楽しいことは?」「なににワクワクしている?」って必ず聞いてきたのですが、何を答えようかと、⽇々考えるようになって。そのクセが、“メモ”とピタッと合った感じ。⽇々、何気なく過ごすのではなく、楽しいことを探すというのは、仕事のひとつの基準にもなっていて、製品づくりにも結びついていると思います。プラス、シロには「まずやってみる!」という⾵⼟がある。失敗は結局学びにすればいいという会社。だから、思う存分に⽢えて失敗してもいいから、何でもやってみたらいいよねって、グループの⼦たちにも⾔っています。でもそれがないと年間130種類作るっていうのは逆にできないです(笑)。

シロを通して
幸せの循環をつくりたい

わたしがシロに⼊社して⼀番⼤きく変わったことは、好きの先にある想いに気づいたこと。誰かのためだったり、社会をよりよくするために何ができるかという考えが、今までのワクワク感の上に装着された感じがしています。つい先⽇も、檜原村というところに落ち葉を拾いに⾏ったのですが、森の環境を維持するために⽊を伐採している⽅の現状を聞いて、何かできないかなと思ったんです。⼭のために⽊を切るのですが、その際に出る樹⽪には廃棄費⽤がかかってしまうそう。いいことをしているのに、なんだかいやな循環だって思ったんです。それを聞いたときに、何か⼒になれないかなと。その出会いがきっかけで、いま⼿掛けているのは、廃棄する予定だった樹⽪や枯葉を使ったポプリの研究。つくりたい製品をつくるだけではなくて、どうしたら幸せの循環もつくれるかな?というのが、⾃分の中で新たに芽⽣えてきた感情です。そういう意味でも、皆さんに背景を知って購⼊してもらえたら嬉しいですね。シロを買うことで、誰かの役に⽴っているんだって。みんなで世の中をもっとよくしていけたら嬉しいです。

WRITER : MIKIKO TAGUCHI

PHOTOGRAPHER : SHIN SASAKI

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