非日常のお店づくりを日常へと開き、一緒につくる。 工程も設計もオープンにする“開かれたデザイン”
2024年11月に「SHIRO ルミネエスト新宿店」が同エリアにてリニューアルオープンしました。
スクラップアンドビルドを繰り返す建築が当たり前になりつつある今だからこそ、お店づくりにおいて新しい標準をつくり出すために、ただつくり直すだけではない改装を行いました。
JR新宿駅に直結しているルミネエスト新宿は、多くの人々が行き交うスポットです。SHIROは、東口の改札を出てすぐの、コンコースの一角にお店を構えています。
通常店舗に併設していた新業態デジタルストア「SHIRO SELF」をクローズし、既存の全区画にて、SHIROのスタッフとの会話を通してより充実したお買い物体験をしていただけるよう、2024年11月にリニューアルを行いました。
お店づくりを開く
通常、施工中は安全確保や騒音防止、粉塵の飛散防止のために、建設現場と外を隔離するように仮囲いを設置します。仮囲いの中で工事や塗装、搬入、組み立て、製品陳列を行っていき、オープンと同時に皆様にお目見えします。
SHIROは現在国内に27店舗、海外に2店舗を構えており、ブランドが誕生してからの15年間、多くのお店を新規オープン、リニューアルオープンし、ポップアップなどの催事も開催してきました。その中で、既存の什器や配置を活かしたお店づくり、産業廃棄物や建築端材など一度は不要となったものにクリエイティブを注ぐお店づくり、つくった先の未来を考えたお店づくり、森の未来を考えて伐った木々を使ったお店づくりなど、さまざまな設計デザインに挑戦してきました。
そしてお店づくりを通して、「すべての資源の価値を見つめ直し、本質的な循環のために廃棄物ゼロを目指す」という決意をお伝えしてきましたが、「本当に、皆様に伝えることができているのだろうか」という疑問が生じ始めました。改めてお店づくりというものに向き合ったとき、仮囲いの中で起こっていることも、お店づくりに込めている想いも、私たちにとっては日常ですが、SHIROのファンで居てくださる皆様にとっては非日常なのではないかと思ったのです。人は自分が見聞きしたもの以外を信じることは難しいし、何かを感じることで初めて“自分ごと”になるのだと思います。私たちSHIROがものづくりにおいて、実際にそれを経験してきたからこそ分かるのです。だからこそ今回、ルミネエスト新宿店のお店づくりを開くことにしました。
工程を開き、みんなでお店をつくる
2024年11月、オープン1週間前の祝日にルミネエスト新宿店でワークショップを開催しました。SHIROの店舗リニューアルでは、廃棄物ゼロを目指し、まだ使えるものはリニューアル後もそのまま使っていきます。床もその1つで、塗り床を撤去して新たに施工するのではなく、既存床の上からカラフルなペイントを重ねていきます。この塗装工程をお客様と一緒に行いたいと思い、ワークショップとしてお店づくりを開くことにしました。そして、有難いことに約150件の応募をいただき、これまでSHIROを育ててくださった13名のお客様にご参加いただくことになりました。
中にはLAUREL時代に製品を愛用してくださり、イクスピアリ店やアトレ吉祥寺店でお買い物をしてくださった方や、リニューアル前からルミネエスト新宿店によくご来店くださっている方、北海道砂川市のみんなの工場に遊びに来てくださった方、また、SHIROのお店づくりに込める想いに共感してくださる方などがいらっしゃいました。
当日は、まだ什器が搬入される前の店内に集合し、SHIROの挨拶からスタート。そこから、設計デザインを担当してくださった小倉さんとペイントを教えてくださる職人さんのご紹介、そして、皆様にはとにかく楽しんで、自由にペイントをしてほしいとお伝えしました。子どもたちはもちろん、大人の方にも安心して伸び伸びとクリエイティブを楽しんでいただいと思い、塗料はオーガニック成分の水性のものを使用。
ローラーで大胆に塗料を広げたり、刷毛で自由に塗り重ねたり、勢いよく飛ばして水滴の跡をつけたり。スポンジに塗料を含ませて床に押し付けると模様にもなります。手や足など、全身に塗料がついてもお構いなし。そのまま歩けば足跡型の可愛いペイントに。
オープン前の店内には笑い声が響き、まるで営業中かのように賑やかな空間に。今日はじめましてのお客様同士や、お店づくりやペイントのプロ、SHIROのスタッフもみんなが交わって一つのものをつくり上げる姿は、これ以上にないしあわせな光景だと感じました。
いつしかみんなで塗った色は混ざり合い、綺麗なグリーンに。これをベースに、小倉さんと職人さんが仕上げをしていきます。こうして、世界でここにしか無い、唯一無二のデザインの床が完成しました。
この日参加してくださった方々は、ルミネエスト新宿店を通りかかるたびにワークショップのことを思い出しくれるかもしれません。また、お店づくりという非日常の体験をした胸の高鳴りや、みんなでつくり上げることの楽しさが子どもたちの心に残り、それがいつか何かを選択するときのきっかけになれば、とても嬉しいです。
開かれた設計デザインで、入りやすい店構えに
開くのは、施工の工程だけではありません。リニューアル前まで正面に配置していたレジ台を店内の左サイドに移設することで、入りやすい店構えにしています。店頭には大きなLEDビジョンを導入し、製品やものづくりなど、SHIROの世界観に包まれるさまざまなビジュアルを展開。改札付近にあるお店の前で待ち合わせをする方も多いため、駅地下を使う人々の日常に視覚的ストーリーをプラスしていきます。店内奥の棚部分にはSHIROのサインペイントを施し、皆様をお迎えします。通りかかったとき、角度によってはサインペイント全体が見えるので、ぜひ写真に撮ってみてください。
ディスプレイ什器の形にほんのり懐かしさを感じる方もいるかもしれません。什器のほとんどは元々ルミネエスト新宿店で使用していたものをカットし、組み合わせています。表層替えをすることで雰囲気を変えながらも、面影の残る内観となっています。この場所にあったものばかりではありません。店頭の手前にあるディスプレイ什器の脚部分は、2024年3月に増床リニューアルオープンした、ルミネ池袋店の壁面扉に使用していたパンチングメタルを塗装して再活用しています。
そして、レジ後ろにあるウィンドウにはブランドサインが光ります。これも同じくルミネ池袋店にて、リニューアル前までお店を見守ってきたものです。これからはルミネエスト新宿店で働く私たちSHIROのスタッフと、ご来店くださるお客様を見守ってくれます。
新たなお店づくりの方法で生まれ変わったSHIRO ルミネエスト新宿店へ、ぜひお越しください。 店内では、ペイントに使用したカラフルなスポンジを製品と一緒にディスプレイしています。お買い物の際に製品棚の上も見てみてくださいね。
PARTNERS
小倉 寛之 / DRAWERS
設計を担当したDRAWERS の小倉 寛之さんは、空間デザインにおいて美しさや利便性を追求すると同時に『つくる責任』を意識し、未来を考えたプロダクトデザインやクリエイションを行っています。
また小倉さんは、2024年4月にオープンする北海道夕張郡長沼町の一棟貸し宿泊施設「MAISON SHIRO(メゾンシロ)」の設計や、シロの東京オフィスの設計も担当しています。
小倉さんのデザインする、
SHIROのお店はこちら
最新の取り組み
-
シロのものづくり
『ホワイトティー フレグランスポプリ』に詰め込んだ、 かけがえのない森の尊さと、未来への願い
北海道 森林が育んだ…
-
シロのお店づくり
非日常のお店づくりを日常へと開き、一緒につくる。 工程も設計もオープンにする“開かれたデザイン”
2024年11月に「…
-
シロのものづくり
製品ができるまで vol.12 『がごめ昆布美容液 2024』
北海道函館市 素材と…
-
社会との繋がり
“みんなの工場”で、すべてを開く「リユースファッションショー」を開催
.main_img …
-
シロの企業
社会の新しい標準を目指す、『SHIRO リユースプロジェクト』を始動します
【2024年12月2…
関連する取り組み
関連する取り組み
「捨てない」そして「新たにつくらない」お店づくり
シロのお店づくり
店舗ごとに内装が異なるショップの秘密
シロのお店づくり
最大限にSHIROを体感できる
トータルビューティーサロン
シロのお店づくり
人はいないけど、愛がある。
あたらしいショッピング体験を
シロのお店づくり
最新の取り組み
-
シロのものづくり
『ホワイトティー フレグランスポプリ』に詰め込んだ、 かけがえのない森の尊さと、未来への願い
北海道 森林が育んだ…
-
シロのお店づくり
非日常のお店づくりを日常へと開き、一緒につくる。 工程も設計もオープンにする“開かれたデザイン”
2024年11月に「…
-
シロのものづくり
製品ができるまで vol.12 『がごめ昆布美容液 2024』
北海道函館市 素材と…
-
社会との繋がり
“みんなの工場”で、すべてを開く「リユースファッションショー」を開催
.main_img …
-
シロの企業
社会の新しい標準を目指す、『SHIRO リユースプロジェクト』を始動します
【2024年12月2…